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読書感想文 アーカイブ

2008年03月08日

読書感想文/福祉工学の挑戦—身体機能を支援する科学とビジネス

福祉工学の観点からユニーバーサルデザイン等を研究してきた著者の記録。

工学会の権威である著者が。こうもりの研究から気配を感じさせる機器の開発、触知ボコーダ等の障害者のためのコミュニケーションツールの開発、バーチャル技術と福祉工学の融合研究等を通して長年研究してきた福祉工学・ユニバーサルデザイン研究についてまとめてある。
著者ご本人の講演を拝聴する機会があり、講演が非常に興味深いものだったため購入。

専門家だけではなく、福祉とはなにかよくわからない人にも分かりやすい内容であると思う。

福祉工学という研究に挑戦し続ける著者の言葉の数々に感銘を受けた。

2008年03月10日

読書感想文/アキッレ・カスティリオーニ 自由の探求としてのデザイン


最近では新しい概念のように捉えられている、深沢直人氏が言っている"First WOW, Later WOW"の概念はすでにカスティリオーニ氏が実践していたのだという発見。
本書の中ではカスティリオーニ氏のデザインを「魅惑すると同時にすぐその知的内容へ注意を引き、種を明かし、そしてはっと目覚めさせる仕掛け」と評してあるが、それこそまさに。

日本ではあまり知られていない、建築家/空間デザイナーとしてのカスティリオーニについても多くが学べる良書。

ジャンフランコ・カヴァリア氏が代弁する「各々が自分の役割に対して責任ある態度を取りさえすれば我々の社会は今後も存在し続け、また向上する」というカスティリオーニの信念は今の時代のデザイナーに環境問題についてデザインで何ができるか考えろ、と言っているようにも聞こえる。

デザインとは倫理的価値の表現であると言っていたカスティリオーニの言葉を使いながら、消費社会にただ取り込まれて、ゴミを延々と作っているだけのデザインに対して明確な批判も投げかける一冊。

一番印象に残ったのは第五章「レストランの人生学」。

2008年03月11日

読書感想文/地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」

思考力とは情報の羅列する能力ではなく、仮説を作り出す想像力、情報を捨てる整理力なのだと教えてくれる一冊。

物理学者エンリコ・フェルミの思考術として知られる「フェルミ推定」の説明を足がかりとして、フレームワーク思考等の思考術、自分の頭で考えるとはどういうことかを気づかせてくれる。

ネット情報を寄せ集めて考えた気になっている人や、データを集めることに夢中になるくせがあるひとに是非読んで欲しい。

実際のデザイン実務においても、マーケットのデータやトレンド、コンペチターの動向のデータはごっそり調べているのだけれど、肝心の「あなたは何が作りたいの?何を表現したいの?」というのがないデザイナーは多い。

本書はメソッドの本であるようで、既存のメソッドに当てはめて考えていくだけでは新しいものは何も生まれないということも示唆してくれている。

後半では各思考術の有用性だけでなく、理論と感情のバランスがとれた他者とのコミュニケーションの重要性も説いてくれているため、組織内で仕事をしている人にとっては非常に為になる内容だと感じた。

思考は
結論から、全体から、単純に。

2008年03月13日

読書感想文/レバレッジ人脈術


レバレッジシリーズのなかで”人脈”にフォーカスした一冊。
人脈を作る、ヒトとコミュニケーションするとはそもそもどういう行為なのか、持つべき心がけは何かということを分かりやすく教えてくれる。

本書で頻出する”コントリビューション(お会いする相手、参加させてもらうコミュニティに対する貢献)”という言葉が人とのつながりの原点だと思う。

人脈作りとは「相手から何かもらう」ではなくて「自分の成長のためにお互い刺激しあう」コトなのだと実感。

紹介している手法を実践している方とお会いし、自分自身がとても嬉しかった経験があるため、共感しながら読むことができた。

ボリュームもちょうどよいし、リアルコミュニケーション、ウェブコミュニケーション双方で人付き合いの際参考になる情報が詰まった良書。

この本を読んでデザインコミュニケーション思考との共通点を感じた。

デザイン思考の際に重要になるのはそのデザインが一体誰に、どんな幸せを届けるのかということ。
社会貢献なのか、企業の成長なのか、個人のライフスタイルを豊かにすることなのか。
ただ売ってお金をもらう「市場で売れる」ではなくて、相手(世の中)にどういうコントリビューションをするかということを核にデザイン思考を働かせないと、世の中の要求に対してパフォーマンスの高いものを出しにくいと思う。
そういう意味ではデザインアウトプットをコミュニケーションとして捉えれば、「人脈作りにおけるコントリビューション手法」はデザイン思考に応用可能なアイデアだとも実感した。

2008年03月21日

読書感想文/いきの構造

和のデザイン、いきと呼ばれるものは何なのかということを考えたく、
読んだ。

哲学者の著者が日本独自の価値観「いき」について考察を巡らせる一冊。

本書では「いき」とは大和民族の特殊な様態の顕著な自己表明の一つと定義されている。
海外(他民族)の文学や芸術、音楽と日本のそれとを対峙させ、その中から読み取れる価値観のズレや情景をヒントに「いき」とは何かを定義し、構造化を試みている。

「いき」とは媚態・意気地・諦めを主要素とし、反語は野暮であること。
二元性を基礎とした美学であること(男と女、竹と木、表と裏、ハレとケ、見せると隠す等…)。
決して合理性になり過ぎないバランスの美学でもあること(常に平行線で交わらない-結果の出ない縦縞模様等)。
いきなリズムとバランスが存在すること。
派手―地味の構図とは別物であること。
等を独自に構成したマトリクスやチャートを絡め解説してくれる。

いきと称されるものを見たところで、いきは理解し得ないという主張もしている。
日本民族の価値観や文化を解剖・解釈するプロセスを経てはじめて「いき」に触れることが出来るのだと。

本書を読んで
「いき」とは
「二元性を含有する物事における理想体(合理性)に対しての一定の変位(ハズシ)の美学が表層に出てきたもの」であると受け取った。

原文は現代の文体ではないのでとっつきにくいところもあるが、本書は解説を入れ込まれ再編集してあるのでわかりやすくなっていてよいと感じた。

いきとは何かと何かの関係性にて見出される美しさということか?
最近何かと話題になっている関係性のデザイン、コミュニケーションの仕組みづくりにおいて、
日本らしい価値観や美しさとはどんなものか考えてみたい。

2008年03月24日

読書感想文/思考の整理学


英文学者である著者による、発想方法やメカニズムについて身近な体験をもとに考察した一冊。

メインは論文や学問的考察に主軸を置いた「思考の整理学」なのだけれど、充分に日常生活に応用していける内容だと思う。

ーキーワードー
・エディターシップ
全ての発想は既存情報の組み合わせ。発想には編集力が問われる。発想法とは編集の方法。見慣れた情報も編集で生まれ変わる(エッセイをまとめた本や小説の短編集等)。全体は部分の総和にあらず。

・没個性的方法
自らの個性のみを主張するのではなく、個性は情報を化合する際の触媒として扱う。主観による既存情報の組み合わせは充分に個性を発揮する。

・忘れる時間を作る
情報は時間を経て洗練され、必要なものが残る。
見つめる鍋は煮えない。

・セレンディピティ
潜水艦のソナーを発明するつもりが、イルカの交信音を捉える発明になったというような偶然の産物、他家受粉を重要視する。

・情報のメタ化
情報の高度な抽象化を目指せ。平家物語は琵琶法師による情報の高度なメタ化の産物

・手帳の工夫
フィルター、情報を洗練させる道具としてのメモ、手帳

・捨てる工夫
収穫逓減の法則

・I think ...本来の思考

本書は1986年発刊であるが、インターネット時代の現在の思考や発想についての書籍、ビジネス書にこの本に書かれたことと同じようなことが散見され、この本がいかに「情報の扱い方の本質」を捉えていたかが実感できる。

内容も読みやすく、新しいことを考えたい人にはどんな人にもお勧めできる一冊。

デザイナーやクリエイターは情報収集と縁の深い仕事だと思う。
憧れのデザイナー、参考になる同業他社の製品、先行技術等を貯めこんでいて、
各々の仕事に活かそうと考えていると思う。
そんなデザイナーやクリエイターにも本書の整理法は参考になるはず。
現代ならばGoogleリーダーやメモやiGoogleはてなブックマークはてなRSSを応用することで、著者の時代よりも更に効率化された情報管理ができるわけだし。

値段もやすくてお勧めです。

2008年03月27日

どんなに複雑にもつれた糸も、

「どんなに複雑にもつれた糸も、ほどいてみれば単純な一本の糸に過ぎない」

-トリンプ・インターナショナル・ジャパン元代表取締役社長/吉越浩一郎(著書:デッドライン仕事術より)

優れたクリエイターは物事を単純化するのがうまいと思います。
佐藤可士和氏しかり深澤直人氏しかり。

様々なプロジェクトで必ず発生する「問題解決」というプロセス。
そこでその問題に対してぐーっと近寄ってみたり、俯瞰してみたり、いろんなスケールで多角的に観察することがキモなのかなーと思う。

優れた経営者はそういった視点でものを話しているなと感じます。
こういう「観察の仕方」は日常生活にも充分応用が出来る、というか一番重要な視点かもしれない。


-以下読書感想文-
デッドライン仕事術 (祥伝社新書 95)

トリンプを19年連続増収に導いた元名物社長の著書。

デッドラインとは、仕事にかける時間、タイミング、自分がする仕事の範囲、ワークライフバランス等に明確に設ける線引きのこと。

本書ではビジネスシーンにおける「デッドライン」設定の有用性を著者自身の企業人人生を振り返りながらわかりやすく解説してくれている。

管理職の立場から書かれている内容がメインではあるけれども、若いビジネスパーソンにも充分に参考になる内容。
・上を見るな、下を見ろ(上司や経営者の方ばかり見ていると愚痴しか出ない)
とか
・余裕のあるときを当てにした時間の使い方をするな(余裕がある時間が訪れるような時間の使い方は効率が悪い証拠)
等々、
企業人なら思わず納得してしまう著者の持論がためになる。

有名な「がんばるタイム」や「さんづけの習慣」等、実際にトリンプで行われたユニークな改革も面白い。

気がついたらなんとなく長時間労働になっちゃっているような仕事人にお勧めできる一冊。

時間は有限です。

2008年03月31日

読書感想文/裸でも生きる

若干25歳でバングラデシュ産のジュートを使ったバッグ販売の会社を立ち上げた著者の自伝&エッセイ。

アジア最貧、政情最悪の国にあえて単身乗り込み、ものづくり・ビジネスを通して社会に役立つことを模索している著者。

まさにジェットコースターのようなスリリングな実話。
引きこもり、不良、鬱病、柔道、工業高校、慶応大学、国際機関、バングラデシュ大学院・・・・

どうして起業に至ったかまでの経緯から、ものづくりの難しさ、裏切りや失敗で涙を流した話等、「信念を持って生きる」ということの素晴らしさと厳しさを生々しいくらいのリアリティを感じながら読むことができた。

表題となっている「裸でも生きる」とは何度振り出しに戻っても、自らの信念を曲げないという著者からのメッセージだそう。

社会起業とかフェアトレードの類いに対して否定的な意見が多いのも事実ではあるけれど、やっぱりこういうビジネスを信念もってやっている人は応援したくなる。

限りある今の時間をどう生きるか。
深く考えさせてくれる一冊。
良書。

2008年04月07日

面白いアイデアだ。しかも・・・

「面白いアイデアだ。しかも人がいい」

-エニグモ役員・藤井真人(謎の会社、世界を変える。―エニグモの挑戦より)

この言葉はエニグモが成功に至った重要なポイントをあらわしていると思う。

以下読書感想文

元広告代理店の二人が立ち上げた新世代ネットサービスベンチャーエニグモ。
この本はエニグモ創設から、軌道に乗るまでの軌跡を同社代表、役員、社員がそれぞれの口調、視点で振り返ったものをまとめたもの。

世界各地に住むネットユーザー全てを「現地の品物のバイヤー」に変えることで新しい流通、ショッピング感を作ることに成功した同社サービスBuyMaや、広告モデルをブログによるクチコミマーケティングとくっつけたビジネスのプレスブログが同社の看板サービス。
この本ではそれらサービスを構築するまでに同社がぶち当たった壁、挫折、乗り越えた方法等が書いてあり、新規ビジネスをベンチャーが起こすことのハードルの高さと、得がたい達成感があることの両方を感じ取れる。

人をひきつけて、巻き込んで、しかも仲間の期待に応えられるように最大限の努力をするという同社経営陣・社員の姿勢は見習うべきだと感じた。

新しく社会を作るということの意義や楽しさを考えれる一冊。

クリエイターは人の力を借りるのが下手な人が多いと思う。
それでいて自我を通すのに頑なになりすぎている人も良く見ます。
本当に新しい仕組みをデザインしようとしたら、他者を受け入れる、困難を受け入れる、人の手を借りるということがいかに大事かということを考えさせられました。

2008年04月25日

読書感想文/利益の方程式

経済評論家、公認会計士の著者による、ビジネスにおける利益の出し方についての考え方を改めてくれる一冊。
どんな業界でもおそらく使える考え方が書かれている。
マーケティング、商品開発、接客、経営、全ての階層の人に意味のあると思われる一冊。


まず冒頭に「勝間式利益の方程式」を紹介するところから始まる内容。

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(顧客あたり単価-顧客あたり獲得コスト-原価)×顧客数=利益
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冒頭でキーとなる構造を示すことで全体が捉えやすくなっていて親切。
文章も読みやすい。

*キーポイント*
・顧客の購買ポイントを押さえ、そこには充分にコストをかける。それ以外の面ではオーバースペックを避ける(KBF,Key Buying Factor)→顧客原価のコントロール
・価格は高くてもいい。なぜなら顧客はいいものを買ったと満足するから
・相手が持っている問題を解決する
・気持ちよくお金を払ってしまう仕組みづくり
・多様な意見の重要性
・瞬時に顧客が商品の価値を理解できるかどうか→瞬間判断、ヒューリスティック
・顧客が人に教えたくなるサービス
・仮説構築の重要性
・顧客原価は業界基準で決まるため下げるのは難しい。顧客獲得コストをうまく下げる。
・需要者、供給者双方の視点で原価を考える(顧客の視点、KBF)
・潜在顧客数のフェルミ推定
・顧客の意見に耳を傾けすぎない(顧客の先を行くべし)
・戦略のない値下げは悪である

商品開発の仕事をしている身としては、なるほどと唸ってしまうような内容ばかり。
特に携帯電話業界や家電業界の商品開発・供給システムに当てはめたところはわかりやすかった。
優秀な経営者にとっては当たり前のことばかりの内容なのかもしれないけど、新鮮な切り口が多く、面白かった。

特に顧客のKBFを理解した商品開発をしろ、という提言は今の企業に足りてないと思われる「引き算のデザイン」をわかりやすく解説していて納得してしまった。

著者の豊富な研究知識が楽しみながらサクッと読める良書。

勝間和代氏ブログ -私的な事柄を記録しよう!-

2008年05月28日

読書感想文/おもてなしの経営学

マイクロソフトでウィンドウズ95の開発に携わったカリスマプログラマーがものづくりと組織について綴った一冊。
著者自身のブログから抜粋した記事と西村博之氏、古川享氏、梅田望夫氏との対談と加筆からなる構成。
技術を極めた先にある差別化要因はユーザーエクスペリエンスであり、それは日本語に訳すとおもてなしであると著者は書いている。
中国や韓国等の海外勢に押される日本の製造業にとって参考にすべき思考が詰まっている。

ーー以下ピックアップーー

・ものづくりにおけるこだわりには二種類ある。作る方の自己満足のための「こだわり(エンジニアの美学)」と使う人の満足度をとことん上げるための「こだわり(おもてなし)」である。
その違いには充分注意を払うべきである。

・海外では日本の大学は相手にされていない。韓国等の優秀な学生はアメリカの大学院に行き、帰国してサムスンに入る。日本の理系の学生とはハングリーさやエリート意識が違う。こんな人たちと戦って日本は勝てるのか?

・英語は必須。自分の価値を高めるべき。

・再就職が難しい日本の社会では、生涯教育が成り立たない。日本の知識労働層が必死に勉強するアジアに抜かれるのも時間の問題。

・ブログ特有の双方向性とリアルタイム性は心地よいもの。

・すべてのサービスはSAAS(Software As A Service)になる。ビジネスモデルのサービス化はソフトウェアだけでなく、ハードウェアでもメインになる。従来の「ものを売り切って終わり」のビジネスでは戦えない。iPod&iTunesはサービスと一体化したハードウェア。

・元ソニー出井氏はiPodのようなビジネスモデル構想を持っていた。(社内の「ハードウェアで勝負したい」という流れに押され、実現ができなかった?そしてiPodにやられた。)

・タイムカプセルにofficeのファイルを入れておいて100年後に開けるか?マイクロソフトオフィスを買わないとデータが表示できないなんていう風にユーザーを束縛すべきではない。

・「上を見て仕事する人」と「天を見て仕事する人」がいる。上は上司の顔色や直近の自分の利益を指す。天とはお客様や社会の未来を指す。
企業が生き残れるかどうかは、天を見る人が働きやすい環境を作れるかどうかにかかっている。

・米国では技術のことをばっちり理解しながら経営の深いところまで話せる人が多い。日米の差は大きい。

・新人社会人のころに「新人だから特許出すのはまだ早い」とか「考えた人ではない人(上司)が学会への発表にいく」といったような年功序列が我慢できなかった。

・一歩も二歩も下がって「世界全体では何が起こっているか」を俯瞰して眺められるようになるべき。

・ソフトウェアやサービスと一体化した統合サービスビジネスとしてハードウェアをデザインできない企業は2020年ごろにはアップル等に押され、ただのサプライヤーになってしまうだろう。

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今、若い人たちは古い日本企業の体質やスピードの遅さに苛立ちながら、海外からくる刺激的なサービスやプロダクトに心を奪われています。
それはジャパンプロダクトの衰退を表していると感じます。
この状況を日本の製造業はもっとしっかり見なければいけないと思います。

今の世界における「日本のものづくり」について考えなければいけないこととヒントが詰まった良書でした。


※読んだ方、興味を持った方、是非積極的にコメント、感想をお願いします。

中島聡氏ブログ

2008年06月04日

読書感想文/私塾のすすめ

「声に出して読みたい日本語」の齋藤孝氏と「ウェブ進化論」の梅田望夫氏による対談をまとめた一冊。
両氏が「自分自身の価値を上げること」や「学びあいの精神」、「これからの若者や社会に対する思い」について興味深い意見交換をしている。
福沢諭吉的メンタリティという共通の根っこがありながら、違う思考を持つ二人の多様な視点が綴られていて、現在、自分の将来や仕事について考えている人には参考にできる言葉がちりばめられている。

ーー以下ピックアップーー
・私塾願望、福沢諭吉的メンタリティ。志を同じとする仲間と学びあいたい願望。

・私塾=私淑→学習のモチベーションの共有

・モチベーションの強弱によって学習の格差は拡がる。

・人生をデザインする(デザインという概念が無形のものに対して使われても違和感が少なくなってきている。これからの時代、デザイナーに求められるものは?)

・スマイルズ著「ヘルプ(自助論、邦題:西国立志偏)」

・自らの存在のありよう、働き方のデザイン。肩書きを持つだけでも気分は変わる。

・あこがれる人物を3人、自らのロールモデル(人生の参考とする人)として設定して暮らす。

・ロールモデルはどんどん自分のために消費していくもの。次々と見つける。さらに口に出すことが重要。「イチローになりたい!」のように。

・自分を知ることで、必要なもの、不要なものがわかる。

・モノも人も全てが縁。

・「志向性」←ウェブログで志向を同じとする仲間を探せ。そして「道」のヒントを探せ。

・自らの関心事の発信。そしてそれを突き詰める。そこから次のコネクションが生まれるはず。

・現実世界、たかだか50人ほどのクラスでは志向が同じ同志を見つけられる確率は低い。
世界にはもっともっとおもしろい奴がいる。

・日本人たちよ、個として、創造的に生きよ!!

・型は古く、概念は新しく。

・勝手に理論武装して新しいことを始める←新しい時代はこういう人が作ってきている。

・断られたり、ダメなことのほうが多いのが当たり前であるということを知る。
うまくいかない方が人生のデファクトスタンダードである。

・牧歌的なニュアンスでの「好きを人生に」ではなく、「好きを人生にできないと生き残っていけない」という、もっと切実なニュアンスの「好きを仕事にする」ということを考える。

・頭で読む読書ではグーグルには勝てない。知とは心受け止めるべき。生きる糧としての知。

・おもしろいと思ったことを淡々とブログに書く。

・生活とは作品である。生活全体をデザインしよう。生活のデザインとは時間の使い方を考えること。

・一つの趣味は千の嫌悪から成り立つ。嫌いをはっきりさせていけば最後に自分にぴったりな何かが必ず残る。

・物事と時間はトレードオフ。イチローは野球のためにほとんど誘いを断っているはず。流されたら本当に何もできない。

・時期を画す力→画期力。時代の波に合わせて仕掛けていけるといい。立体的な人生を構築。

・How are you? と聞かれたら、Fine!!と答えなければいけない。

・20世紀は物質は豊かになったが、幸福感は低い。物質と引換に志向性の共同体をなくした。

・同じような志向を持って、同じ敵と戦う。

・敵は、私たち日本人の中にある、「時代の変化に対する鈍さ」である。そこからくる変な慣習が社会を覆い、若者たちを萎えさせる。

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急激にコミュニケーションのかたちが変わっているのを、最近実感致しております。
志や感覚の近い人同士が互いに引きつけられることが自然に起きる。
各々が持つ「感覚の磁場」みたいなものを増幅するツールが増えているからだと思います。
それも日常に溶け込み、特別に感じることもなく、コミュニケーションスタイルが変わっていっている。

そんな時代だからこそ一歩踏み出せばいろんなことができるし、いろんなやつに会えるよ!
と感じさせてくれる、そんな元気の出る一冊でした。


※僕も読んだよ!読んでみたい!こんなところに共感した!私はこう思う!等あれば積極的にコメントお願いします!!

2008年06月11日

読書感想文/現代アートビジネス

村上隆や奈良美智を発掘したギャラリストでもある著者が、現代アートに対する想い、アートとお金の関係、アート立国への展望等を綴った一冊。
先進諸国において加熱するアートに対する投資や、工業ではなくアートによる国力をつけようとする動きが見られる今だからこそさらに面白く読める内容。
アートに詳しい人でなくともわかりやすい。
アート作品個々を解説するというのではなく、アート業界やアートに対する投資、アートの楽しみ方といった視点で書かれている。
各アーティストの解説本等と合わせて読むとさらに楽しめると思う。

〜〜以下ピックアップ〜〜
・不景気にこそチャンスは到来する(高額な大御所は売れない、安い若手にスポットを当ててもらえる)

・どんな作品にも買い手がいる。アート市場は細分化された市場。犬の絵しかないギャラリーもあれば、下手な絵を売っているところもある。需要があるため買い手がつく。こんなものが売れるのかというものも売れる。作品の良し悪しだけでなく、需要の掘り起こしと売買交換のマッチングがビジネスの肝。
粗悪なモノや安いモノが欲しい人もいる。アートも同様。

・展示空間、アーティスト、プレス活動がギャラリストの三種の神器。
まずは展示空間がないと始まらない。見せ方には徹底してこだわる。照明の角度や、作品を置く高さは特に重要。

・将来そのアーティストが続けていくだろうと思われるコアな部分を抽出して前面に出して売り出すことが重要。そのための審美眼と見せ方が問われる。

・アートは市場に残していくことに意味があり、とても重要。なので、若手アーティストはちょっと安いかなぐらいに値段を設定する。「売りたい値段」より「売れる値段」。応援してくれる人を増やせばアーティストに価値が発生していく。

・リーディングコレクター(この人が買うと注目される、評価につながるような人)に売る。
そうすることでマーケットが広がり価値が上がる。

・アートのコピーライト化は強烈な個性と考え抜かれた戦略がある村上作品ぐらいでないとできない。
アートは実物であり、一点ものあるいは少数製作であるからこそ価値を保有できる。

・アート作品を安易にコピーすることや、イメージ商品として単に絵面だけ売るようなことはアーティストの価値を下げること、文化の疲弊につながる。
アートは表面ヅラだけではなく、アーティストの思想も作品の一部として尊重することが大事。

・コピーが容認される中国が大国になっていくこれからは文化が消費されてしまう危険を孕んでいる。
コピーライトの強度は美術作品の強度と一致しない。

・GEISAI等、若手アーティストの発表の場は増えてきていて、アーティストの青田買いも増えてきている。

・アーティストとはそもそも職業なのか?アートが大事ならば続けろ。時代が追いつくこともある。

・今、マイアミはアートが熱い(アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ開催。デザイン・マイアミも開催されている。文化の新たな発信地)。

・どう楽しむか、どう飾るかをメディアを使って見せるより、人の行動そのものを見せて認識させることが重要。

・押し付けないこと。

・デザイン/アートは国力になる。日本人ほど美術館に行く国民はいない。

・国内のアートマーケットシステムの整備が急務。

・みんなが欲しがる情報は「告知」ではなく「レビュー」である。

・アートは国の資源。枯渇することもなければ、環境を破壊することもない。観光資源として利益ももたらし、国のアイデンティティ構築にもかかせない、非常に有望な資源。欧米諸国はこの有効な資源を上手に利用している。


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アートやデザイン、映画や音楽コンテンツといったものを世界に向けてビジネスとして発信していく際に参考になる視点を多く見つけました。
逆輸入ブランドの強さや、やりたいビジネスに適したマーケット自体の発掘や開拓、世界に向けた発信姿勢等は日本のクリエイティブにもっとあってもいい考え方と感じました。
世界に向けて開かれた新しい創造的ビジネスやコンテンツ産業が日本の次世代のキーかもしれないと強く思いました。
あと、アートに限らず共感できたのが「皆が欲しいのは告知ではなくレビューだ」という一説。確かにブログや本もカタログや宣伝みたいなものではなく送り手の視点が入っている方が見てて面白いですね。
そもそもアート自体が社会に対するアーティスト自身のレビューであったりもしますね。

アートとデザインで国にブランド力を付けることに成功し、経済的な効果をももたらした英国の政策は記憶に新しいです。
日本がアートとどうつきあっていくべきか、一度じっくり考えてみると面白いかもしれません。

※私も読んだ!興味をもった!こんな風に感じる等あれば積極的にコメントお願いします。

2008年07月07日

読書感想文/ビジネス頭を創る7つのフレームワーク力


近年のビジネス本、アイデア本のヒットで耳にすることが多くなった「フレームワーク」というコトバ。
その思考法を著者得意の「わかりやすい伝え方」で伝授してくれる一冊。

最近の著者の本と違い、この本ではITに頼らず自分で考えるということにフォーカスを当てた内容になっています。

最近の著者の作品の中では厚めです。
ボリューム満点ですが、さくさく読んでいける様に工夫された読みやすい構成となっています。


以下amazonの目次に追記するカタチでのピックアップです。(→部がピックアップ)
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●第1章 「ビジネス思考力」を定義する!
■「ビジネス思考力」を定義する!
→ビジネスを楽しくするのが目的。思考力を磨くこと自体を目的化しないように。
→ワークライフバランス問題において仕事の成果、効率を上げるのは重要。なぜなら、安定した収入、業績を確保できると、効率があがり、可処分時間や所得も増え、心理ストレスも減らせる。自ずとライフが充実する。
→時間は限られている。限られた時間の中で最高の効率で情報取得、行動アイデアを出していけるように。
→たとえ間違った仮説でも、ないよりはまし。少なくとも「動くはじめる」ことはできる(動かないのは0である。)
→推論はするけど、実行はしないという人が多い。実行が一番大事。実行さえすれば少なくとも他社より有利に立てる。
→積極的にアウトプットして、プレゼンしてと額にも身にも汗して動くのがビジネス思考力。
→健全なもうけがないと、私達の生活は健全にならない。お金をもうけることにいい意味で固執すべき。


■なぜ今、「ビジネス思考力」が必要なのか

ベストセラーに見る労働環境の変化と市場のニーズ

「教えて君」から脱却しよう!
→今、自分が持っている最良の情報を組み合わせて「仮説(新しい情報)」を生み出す。参考:フェルミ推定

→ビジネス思考力向上は実はもっとも簡単で安心な保険。どんな仕事にも応用できる。
→常に探求すること。以前似たような情報を読んだよ、と思ってシャットアウトしない。どんな情報からも学ぶ。

■思考の六つの段階

ブルーム博士の思考の六段階モデル
→知識→理解→応用→分析→統合→評価に思考プロセスを分解。何かを考えるときこのプロセスを使う。
知識のレベルで思考を止めない!
→知識は借り物。自分自身による応用や分析、統合、評価を経てはじめて自分の血肉になる。

■ビジネス思考力をつけることで得られる五つの果実
→「わかっているけどできない」のではない。「わかっていないからできない」。

■ビジネス思考力はコツさえわかれば、日常生活で習得が可能
→痛い目に逢いながらもこつこつ新しいフレームワークを積み上げていくことが重要。
→どんな知識でも自分のフレームワークに落とし、使えるように。


●第2章 ビジネス思考の基礎となる7+1の力
■まずは「フレームワーク力」のお話から
基本的なフレームワーク21選!(カラー図解つき)→カラー図解はひとつひとつの図解の絵が大きくて見やすい!!
→7番:製品進化のトライアングル。最後はブランド力の勝負になることを意識。
→12番:所得金額階級別世帯数の相対分布。ある製品、価格ごとの市場規模把握。
→17番:組織の7S。これは会社以外(小さな事務所や事業組合)にも応用できるかも。
→20番:VRIO分析。自分たちの組織の強みや資源の把握。個人にも応用できるかも。
→英語は必須。仕入れられるフレームワークが格段に増える。

既存のフレームワークから新しいフレームワークをつくる
→何でもフレームワークにあてはめる。はまらないやつが出てきたら、それがはめられるフレームワークを考える。繰り返せば使えるフレームワークが自然と増える。

書籍の知恵をフレームワークで整理するクセをつける
→ちょっとした「こと」が行動変化を助ける。

「○○○力」とは何を示すのか、というと

●第3章 一つめの力 論理思考力
■論理思考をわかりやすくいうと
そもそも、「論理」って何?
→一見ランダムな世の中の事象から法則や関係を見つけ出し、起こる確率が高いことを推察すること。

■論理思考力を身につけるための三つのテクニック
MECEに分類するクセをつける ほか
→ターゲット年齢別に考える切り口が有効なのはMECEだから。
→真実は細部に宿っている。小さな差異から重要なことを見つける。
→思いつきの予想と「ピラミッドストラクチャー」と「MECE」を使った予測は精度が異なる。

■論理思考力を身につけるための四つの実践方法
→日常生活にて論理思考力を使う癖をつけて生活する。
→私たちは体を鍛えるのには熱心だが、頭を鍛えるのには無頓着。
「なぜ5回」を繰り返す ほか

■とはいえ、「あと知恵バイアス」には注意!
→ヒューリスティック(経験則から無理やり導き出した論理)、迷信行動、げんかつぎ等に惑わされないように注意。

●第4章 二つめの力 水平思考力
■水平思考力をわかりやすくいうと
→まずは、日常の生活を論理思考で進める癖をつける。そのあとは直感や新しい関連性の発見を起点にした、水平思考(ラテラルシンキング)にチャレンジしてみよう。

デボノの有名な問題

想定した範囲以外から解を出す
→私たちは案外こういう考え方が得意。天動説や一般相対性理論はその典型。

■水平思考力を身につけるための三つの基本テクニック
自分が無意識に使ってしまっている前提を疑うほか
→現状を疑い、新しい視点や考えの組み合わせを積極的に導入しよう。関連書:ブルーオーシャン戦略
→成功体験にとらわれて、環境変化に気付くのが遅れないように。
→自分も他人もヒューリスティックを持っていることを自覚する。
→「アイデア・視点組み合わせ」の可能性を信じること。
→SCAMPERブレームワーク。代用、結合、応用、変更、置き換え、減らし、逆転の七つ。

■水平思考力を身につけるための四つの実践方法
種になりそうなアイデアの量をとにかく増やしてみる ほか
→作れそうなアイデアはすぐかたちに。家電メーカー等はすぐ手作りのモックアップ(試作品)を作る。関連書:発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法
→説明を丁寧にすれば売れるものはたくさんある。しかし要説明は大きなコスト。伝わりやすさは重要。
→厳選した何人もの相手との関わりを大事にし、常にいろんな情報交換をする。
→思いつきや勘で、専門的知識がない分野に口出しをしてくる「素人マーケター」には注意。

●第5章 三つめの力 視覚化力
■視覚化力をわかりやすくいうと
→視覚化力、数字力、言語力の3つを統合してはじめて思考の整理や共有が可能になる。
→視覚化力向上はインプット、プロセス、アウトプット全ての面において差別化要因となる。

■視覚化力をつけるための三つのテクニック
画像が持つパワーを理解し、効率的な情報処理方法として活用する ほか
→デザインの意味を理解し、デザイン力を付ける。
→デザイン力とは人の認知プロセスを理解した上で、使用者に対して、特定の行為や可能性に向けての道筋を認識させる能力。
→アフォーダンスの概念を理解する。(注:厳密にいえばジェームス・ギブソンが提唱したアフォーダンスの定義では、アフォーダンスとは使用者のセンサーとモノが発する内在的可能性が空間でぶつかるポイントに生じるものであって、使用者、モノどちらかに存在するものではないとされています。本書ではあくまでも「コミュニケーション力強化のテクニック」としてアフォーダンスを紹介しているので、後にドナルド・A・ノーマンが再定義したアフォーダンスを取り上げ、簡略化しながらもわかりやすく説明がなされています。)
→デザインの力を知る。山中俊治さんのsuicaのデザインの解決力。
→デザイン力はコミュニケーション力を高める上で大きな力になる。
→人に説明するときは文字や画像をうまく使い、説明相手の持っている経験値を活かしやすい形を考える。

■視覚化力を身につけるための四つの実践方法
フォトリーディング+マインドマップをマスターする ほか
→物事を図解化すると、自分がいかに「わかってないか」がわかる。

●第6章 四つめの力 数字力
■数字力をわかりやすくいうと
画像の対極、数字の世界
数字は、正確な情報共有のためのもの
数字を組み合わせる力は創造性につながる
→数字は情報共有のためのツールであり、厳密にはあいまいな部分もある。
→統計を見る習慣、身の回りの数字の記録、数字からの仮説作り、数字を使ったコミュニケーション。

■数字力を身につけるための三つのテクニック/四つの実践方法
→コミュニケーションで大切なのは話の具体性、信頼性、再現性。
→ひとには”よほど工夫しないと”ちゃんと伝わらないものである。
→数字は理性だけでなく、感性にも訴える。
→その数字が正しいかどうかより、ディスカッションのきっかけとなることが重要。
→数字は常に細分化していくことを心がける。
→数字の細分化応用の感応度分析。
→物事には「平均」と「分散」がある。
→統計力が身につけば、期待値10%以上の無謀な賭けはしなくなる(パチンコ10%、競馬25%、宝くじ55%)。
→数字の裏を見る楽しさを知る。
→身の回りの数字の意味を考える習慣を。
→必ず複数の仮説を立てて比較する。
→相手がパッと見て30秒でわかる資料作りを。
→当意即妙に数字を絡めた会話ができる能力を身に着ける。

●第7章 五つめの力 言語力
■言語力をわかりやすくいうと
■言語力を身につけるための三つの基本テクニック
→なんとなくわかった気になっていることと、実際に言葉に落とせるということには理解に雲泥の差がある。
→相手の無意識下の過去の経験値(スキーマ)とコミュニケートする。
→話す時間、書く時間の質量を高める。
→毎日がプレゼンテーション、毎日が考えを整理する場だと思うべき。

●第8章 六つめの力 知的体力
→多重知性理論(マルチプルインテリジェンス)
→健全な精神が健全な発想を生む。
→わかっているけど、できないのではなく、わかっていないからできない。
→知的体力をつけるためには体にいいものだけで暮らすこと。

●第9章 七つめの力 偶然力
→予期せぬ出来事を避けるのではなく、最大限活用しよう。
→「あの人は特別だ」と思わないこと。
→迷ったときはリスクをとる。やらないこと、チャレンジしないことが最大の失敗であることが往々にある。
→チャンスは無数にあるはず。気づくか気づかないかが差。
→大事なのは情報をつなげていくこと。
→なんであれ、新しいことをやれば批判がくる。批判を恐れるな。
→まずは信じてみる、試してみる、考えてみる。

最後に
巻末 お薦め書籍・アイテム・URL 50
→ICレコーダーは便利。
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ボリューム満点、読み応え十分。でも読みづらくなくすすっといろんなメソッドが頭に入ってきました。

「デザイン」というコトバがたくさん出てきたのも印象的でした。

本書に出てきた「相手のスキーマとのコミュニケーションで価値を伝える」という手法をデザイン手法に落とし込んでいるのが深澤直人氏であり、坪井浩尚氏であると思いました。

大前研一さんの「ハイコンセプト」をはじめ、昨今デザイン力に注目がされています。
デザイン力とはカタチとコンセプトの統合力なので、どんなビジネスにも案外応用できるんですよね。
佐藤可士和さんや奥山清行さん、箭内道彦さん等の総合力あるクリエイターが成功を収めて、注目を集めたところから、「デザイナーって実はすごいらしい」という見方が増えてきたのかもと思います。
appleのスティーブ・ジョブズも大学ではカリグラフィー(文字デザイン、日本では書道?)を専攻していて、その授業がMacに最も役に立ったとも言っています。

最近は、デザイナーも更なるビジネス力をつければ、さらにデザイン力を活かせる場が与えてもらえるような空気になってきているのは嬉しい限りです。

そのためにもクリエイターはこの本を読むべき!
アイデア発想、独立したビジネス構想の大きな武器ともなると思います。

※私もこの本読んだ!こんなところに共感した等是非コメントお願いします!!

勝間和代公式ブログ: 私的なことがらを記録しよう!!

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文中でチラッと触れたので。以下もお勧めします!!
↓ブルーオーシャン戦略。レッドオーシャンは避けよう!

↓デザインラボ、IDEO全容。IDEOの習慣「すぐ作るプロトタイピング」はまさにラテラルシンキング習慣付け。写真も豊富。

↓アフォーダンスとデザインの関係についてもっとよく知りたい方はこちら


↓佐藤可士和氏著。こちらもわかりやすい思考整理術

↓その奥様の本も面白いです。

↓DVDも。やっぱり映像はわかりやすいです。

中村勇吾氏による佐藤可士和サイトもすごい!!

↓エンツォをデザインした奥山清行氏の最新本。多彩なスケッチが目を楽しませてくれます。
最近カンブリア宮殿(テレビ東京)にも出演してらっしゃいました。面白かった!!

ken okuyamaサイト。ベンチャーでカービジネスとは新しいです。

2008年07月21日

読書感想文/億万長者専門学校

タイトルも表紙(黒字に金のタイトル文字)も非常に胡散臭い(本書は最初に自虐的にその指摘が出てきます)ですが、中身はとてもまっとうな自己啓発本。
投資や仕事のノウハウというより、起業やお金、人生における著者の前向きに行こうという考えがまとめられています。
いえ~い!!とかじゃな~い?!のようなハイテンションな記述があるので、テンションが合わない人にはすすめられませんがw

タイトルの印象とは裏腹に、本書の構成は非常にスマートにまとめられています。
各章の最後には復習形式で要点のまとめが記されていたり、各章の導入部分には一ページ丸まる見出しに使ってキーワードが挿入されていたり。

以下ピックアップです。
++++++++++++++++++++++++++++++++
・富を作るための80%はメンタルだ。
・億万長者とは何度でも富を作り出せる人。お金を持っている人のことではない。
・やらなければならない理由(ビッグホワイ)があればできるようになる。
・応援してくれる人が多いほど年収は増える。応援してくれる人を増やすためには、自分がたくさんの人を応援することだ。
・情熱は感染する。情熱を持っている人の近くに行って、情熱に感染すべし。
・億万長者は人のせいにしない。すべては自分の責任と考える。そうすると自分の人生は自分で作れるということに気づける。
・悪い出来事はすべて自分を成長させるためのハードルだと考える。そうすれば乗り越えた先に自分が高みに行けると考えることができるので、真正面からぶつかっていける。
・成功率10%は、十回やれば一回成功する、九回失敗しても一回成功すればいいと前向きに考えるようにする。
・自分の限界を決めているのは感情。強い前向きな思い込みは自分の限界値を上げてくれる。
・富を増やすためには、時間をどう増やすかを真剣に考えるといい。
・「頑張ります」「ベストを尽くします」は言い訳に過ぎない。「やります」と言い切るべき。
・成功のタイプは4つ。アクションタイプ、プランニングタイプ、コミュニケーションタイプ、シンキングタイプ
・起業家と経営者の二つに同時になろうとすると成功しない。
・貧乏な人は消費がメイン。中流な人は借金がメイン。億万長者は投資がメイン。
・投資の福利が生んだお金以外でブランド品は買うな。
・億万長者はたくさんのありがとうを集めた人のこと。
・お金があるとネゴシエーション力が衰える。
・アイデンティティーウォーク。ノートとペンを持って散歩する。
・僕たちは日常生活からきりがないほど学べる。
++++++++++++++++++++++++++++++++
本書を読み終わると、本書の胡散臭いタイトルもおそらくわざと目立つよう、記憶に残るように計算されてつけられたんだなと考えるようになります。

本書は自分のメンタル面をポジティブに向けることができます。
自分のこれからに対して行き詰ったように感じている人、新しいことを始めたいのだけれどいまいち気合が追いついてこないなんていう人は一度目を通してみることをお勧めします。

2008年07月22日

読書感想文/神の交渉力

松下電器とAppleにて勤務経験のある著者が書く本書は、快進撃を続けるAppleのCEOスティーブ・ジョブズが今までのプロジェクトで発揮してきた類まれなる交渉力を、多様なエピソードとともに紹介している。
普通のビジネスマナーではありえないことばかりなので、実際のビジネスで即使える事例が示されているわけではない。
スティーブ・ジョブズという人物がいい意味でも悪い意味でも常識にとらわれることが決してないというのが見て取れる。

各エピソードの最後に著者が実際のビジネスで役立つ視点をエピソードから抜き出し、他の著名な経営者のケースも交えて紹介する構成は面白い。

本書ではスティーブ・ジョブズだけでなく、本田宗一郎や盛田昭夫、松下幸一郎のエピソードも収められており、経営者の多様な視点、厳しさを感じることができる内容になっている。

以下ピックアップ
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・私達の暮らしは小さなプレゼンに溢れている。1対1のプレゼンがうまくできれば、二人、複数人相手のプレゼンもできるようになる。

・規律無しに雑多な情報が流れると企業活力が低下する。だからカルロス・ゴーンも、スティーブ・ジョブズも自らのみで発表する。

・ソニーや松下にもiTunesのようなビジネスを考えていたエンジニアはたくさんいた。ただ、ハードウェア業界を乗り越えて、音楽業界の権利者たちと面倒な交渉を延々とする覚悟があるような情熱ある経営者がいなかった。

・パワーのある経営者は一般人と時間感覚が違う。

・仲良しごっこでは世界を驚かすようなすごいものはできない。

・違った分野のもの同士がタッグを組んでこそ力を発揮する。

・指揮官が二人いては戦争はできない、といって本田宗一郎は後任社長に全てを任せ、会社にも顔を出さないようにした。

・相手が自分を本当に必要としていれば、破り捨てた契約の先に有利な契約が待っている。

・ビジネスで戦っている相手は常に変化する。ディズニーのアイズナーはジョブズがいつまでも映画素人だと思い込んでいたため、交渉に負けた。

・自分の仕事の専門分野を決め付けて、線引きをしてしまうことは能力アップのチャンスを逃すことだ。

・周りがひいていても発言する。恥ずかしくても、無言の圧力を感じても何度も何度も。そのうち恥も平気になり、会議で黙って座っているだけの連中が無能に見えてくるはずだ。

・どこにもないものは市場調査からは決して生まれてこない。

・ジョブズは他社との契約は大まかなところだけでなく細かなところまで全て自分でやる。他の企業の経営者のように担当者に投げることはしない。詰めまで全部自分でやる。

・無能な経営者はお金に振り回され、有能な経営者はお金を振り回す。

・ピンチを嘆かず、乗り越えるものと考えられる人がチャンスの入り口に立てる。

・交渉の成否は戦う前に決まる。不備があると弱気の虫が顔を出す。弱気な部分が見えれば必ず負ける。
・ジョブズは失敗を反省して弱みを伸ばすようなことはしない。自分の強みだけを徹底的に伸ばす。

・ヒットを予感するのは簡単ではない。タイタニックもスターウォーズも前評判は最悪だった。iPodも。

・厳しい戦いに先陣を切って挑んでいく情熱がトップには必要。

・「自分の人生」を生きようとする「挑戦するサラリーマン」からこそすごいものは生まれる。
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パーソナルコンピューター、CGアニメーション、音楽配信、携帯電話とどんどん業界を切り開いていくジョブズはこれからどんなことをみせてくれるのでしょうか。

過去記事:Stay Hungry. Stay Foolish.

2008年07月23日

読書感想文/察知力

「僕は悔しさを味わいたくて、日本を出たのだ」

イタリア、イングランド、そして日本代表とサッカー選手として有名な著者が自らのサッカー人生を通して学んだ「察知力」を綴った一冊。
著者自身の失敗経験のエピソードとからめながら、常に周りに順応する姿勢、常に挑み続ける姿勢の重要さを説いています。

以下ピックアップ
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・2007年MVPをとったとき考えたのは喜びよりも先に「来シーズンのために何をしなければならないか」だった。
・危機感を持たないとすぐに他人に追い越されてしまう。

・足りないものがわかれば、それを埋めることを考えればいい。負けても得るものはあると考える。

・勝利がもたらすのは生きる糧であり、進化の糧ではない。「負け」はより多くの糧をえるためのきっかけを与えてくれる。

・「おいていかれちゃう」という危機感がずっとある。なくならないとも思う。

・自分の思うように行かない現実を不満に思っててもいいことは何もない。

・ただがむしゃらにやればいいってもんではない。自分には何が足りないのか、危機を察知して、周囲の空気を読むことが重要だ。

・ちょっと遠回りすることになっても、目標を忘れなければたどり着けると信じている。

・ノートに書き出して一度言葉にすると整理されるので、人に伝えやすい。チームメイトとのコミュニケーションのためにも自分の考えは常に整理しておく。

・自分が立っている環境を理解して準備する。

・試合に出続けるためには監督のサッカーを理解し、対応する必要がある。そのために多くの引き出しを準備しなければならない。

・引き出しとは、積み重ねた経験からくる対応力。過去の体験を活かし解決策を模索する。

・悩む作業が自分を伸ばす。

・自分より巧い人間に囲まれてプレッシャーを感じていないと絶対に巧くならない。

・ベンチで試合を見ていても得るものはない。どんなポジションでも先発に選ばれて、グラウンドに立つべき。

・うまくいかないときは必ずある。壁が見えるときはいいほうだ。乗り越えればいいだけだから。壁すら見えないときは考える。察知して乗り越えるべき壁を探せ。

・環境を変えるだけではだめ。逃避で終わることもある。なりたい自分を想定し、そのための場所を選ぶこと。

・プロ契約を結べたことで満足する選手はいない。契約はあくまでも出発点。皆が上を目指している。

・新しい環境に馴染む努力をしないなら、環境を変えた意味がない。

・自分を周囲に理解してもらえる環境を作る。

・前の環境と今の環境を比べる暇があるなら馴染むために時間を使え。

・今までやってきたことに「今できること」を確実に肉付けしていくイメージでステップアップしていく。

・トップクラブと対戦し、まだまだやることがあると感じた。だからこそまだ伸びる可能性がある。

・自分の特性を活かすためにも、自分にできることとできないことを知ることは大事だ。

・監督がほかの選手に指示することも「自分のために言っているんだ」と思いながら聞いている。

・他人を妬んでいても伸びない。自分の足りない力を分析しないで他人を妬んでも意味がない。

・調子がいいと満足するのがイヤ。「もっとやらなくちゃ」という欲が薄れるのが怖い。

・ふてくされる時間が一番無駄。

・未来に活かすことができれば、失敗も成功だ。

・成功だったかどうかなんて引退してから考えることだ。

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すべての理想を目指す人に共通して参考にできる視点がいくつもありました。
やはり姿勢と時間が大事。
常に挑み続けるという姿勢を崩さないこと。
誰にでも一日24時間しかない時間を有効に活用すること。
中村俊輔も勝間和代も、プロフェッショナルはやはり時間にシビア。
本田宗一郎も。

自分を見つめ、いまある資源(技術、知識、時間、財力)すべてを有効に使うことの大切さを再確認させていただきました。

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