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原子力 アーカイブ

2007年07月02日

原子力って?

原子力とは原子核反応といったものにより得られるエネルギーのことです。

核反応は放射性物質(放射能をもつ物質)の発生を伴います。原子力発電の際に発生する放射性物質のなかには生物に対して毒性を持っているもの(プルトニウム等)もあることから、原子力(核)は非常に危険な面を持ったエネルギーです。
原子力はエネルギー、核は兵器という意味合いで使い分けられることもありますが、原子力と核エネルギーは同じものです。
ウランやプルトニウムの核分裂で得られたエネルギーは平和利用としては原子力発電に利用され、電力として日本全国で使われています。
しかし軍事利用されると恐ろしい原子爆弾や核兵器に姿を変えます。

原子力は第二次世界大戦中に軍事目的で研究が進められました。
世界で初めての原子力利用(実用化)は、1945年日本で行われました。


それは広島、長崎の原爆です。


日本は世界でただ一国の原爆被害国であり、世界で唯一原子力兵器(核兵器)の恐ろしさを身をもって知っています。

原子力発電所の危険/事故

原子力発電所は1954年にイギリスで商用として初めて稼働し、日本では1996年の東海発電所が最初です。

原子力発電所(核施設)は安全管理が非常に難しく、事故が起きたときの危険は計り知れないという恐ろしい側面を持っています。

1986年に旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所で悲惨な事故が起きています。
四つある原子炉の一つ(4号炉)が制御不能に陥り、爆発、10トン以上(広島型原爆300発分)の放射性物質が放出されました。
放出、上空に舞い上がった放射性物質はソ連(ウクライナ、ベラルーシ、ロシア)、ヨーロッパ(スウェーデン等)、北半球全土に降り注ぎました。 事故当時、3000km離れた日本でも放射性物質が検出されたという情報もあります。
被ばくによる放射線障害、がん等により9000人以上が死亡したといわれてます(2006年時点、国際原子力機関発表)。
しかし50000人以上の事故関係者がすでに亡くなっていて詳細な被害はわかっていません。
チェルノブイリ周辺30kmは人の住めない場所になり、周辺住民の甲状腺がん発生の増加、家畜やミルクの放射能汚染も引き起こしたといわれています。推定被害者数は700万人以上ともいわれています。20年以上過ぎた今でも被ばくに苦しんでいる人がいます(母親の胎内にいたときに被ばくした人含む)。

日本では1999年に茨城のJCOでの原子力事故(日本史上最悪の放射線事故)で二名が亡くなっています。

原子力の現在・日本

現在原子力発電所は日本に55箇所もあります。日本の発電量の約30%を担っています(2004年時点)。
これらの核施設には常に様々な不安、問題がついてまわっているのが現状です。

原子力発電所の関連施設として近年では青森県六ヶ所村の核燃料再処理施設の問題がクローズアップされています。

原発(原子力発電所)は発電の際にCo2等の温室効果ガスを出さないため、対環境問題対策として「エコ発電」だという見方もありますが、これは非常に危険な考え方でしょう。原発で作られる放射性物質の中には数億年も消えないものもあり、いずれ人類を含む地球環境汚染の原因となる心配もあります。

日本は地震大国でもあり、原子力発電は非常に危険だといわざるをえません。

日本は夏場に電気の使用量が増大し、原発に頼らざるを得ない状況になっています。
私たちが危険な原発に頼らずに、不安を感じずに暮らすための一番の方法は「省エネ」です。
私たちが電気を使う量が少なくなれば原発を作る必要がなくなります。
今使っている電気は必要ですか?無駄についている蛍光灯はありませんか?

私たちが夏場に使いまくっているエアコンは、原爆と同じ核エネルギーで動いていて、核エネルギー生産は私たちの子供が放射性物質に汚染される危険につながっています。

放射性物質(放射能)って?

放射性物質とは、放射能(放射線を放つ能力)を持った物質のことです。
ウランやプルトニウムのようにはじめから放射能をもっているものと、放射線を浴びること(被ばく)で放射能を持ってしまった物質を総じて放射性物質といいます。

放射線とは高いエネルギーを持った電磁波やビームのことをいいます。レントゲン写真で使われるX線も放射線です。

一般的には放射能=毒という意味合いで受け取られていますが、これは完全な間違いです。
海草や空気、地面、野菜にも放射能はあります。人体は日常で常に被ばくしています。

問題視されているのは放射線障害(大量の被ばくによる障害)を受けるような類いの有害な種類の放射線です。

核燃料再処理施設の話題で出てくるプルトニウム等の放射性物質がなぜ人体に有害といわれているかというと、プルトニウムが放つ大量の放射線による放射線障害が人間のDNAを損傷させ、細胞の活動が異常化、がんや白血病、これから生まれてくる子供達への遺伝子異常を引き起こし、まだ見ぬ恐ろしい異常をも引き起こす恐れがあるからなのです。

使用済み核燃料(核廃棄物)は被ばくし放射能を帯びています。それらがちゃんと管理されないと放射性物質が環境に広がり、海や川すらも放射能を帯びてしまいます。 放射能を帯びた魚を私たちが食べることになります。

ちなみにテレビ等で使われている「放射能漏れ」というコトバは間違いです。正しくは「大量の、人体に有害な放射性物質漏れ」でしょう。

核燃料再処理施設って?

核燃料再処理施設とは、原子力発電所から出た使用済み核燃料を再処理して、もう一度核燃料として使えるようにするための施設のことです。
使用済み核燃料を再利用することで、使用済み核燃料をただ廃棄するよりも多くのエネルギーを産出し、かつ使用済み核燃料の放射能を減らすことが出来ます。

しかし使用済み核燃料再処理の際に、プルトニウム(核兵器の主要物質、人体に有害発ガン性物質)が生成されるのと、通常の原発の300倍から400倍ともいわれる放射性物質が発生すること、何らかの事故が起こった場合に国全体の人が放射性物質に汚染される恐れがあることにより通常の原発よりも高いセキュリティが必要とされます。
また再処理施設が放出する放射性物質が海洋を汚染しているという報告もあり、深刻な環境問題になっています。

核燃料再処理施設・日本・青森県六ヶ所村

日本の核燃料再処理施設は現在青森県六ヶ所村にあり、既に試運転(アクティブ試験)を開始しており、年間5トン(長崎型原爆500発分)のプルトニウムを生産しています。
2007年11月からスタート予定の本運転では年間15トン(長崎型原発1500発分)のプルトニウムを生産することになります。


六ヶ所村の再処理施設は数々の問題を抱えています。1996年に明らかになった耐震設計ミスを11年間隠蔽していた事件(震度5程度の地震で倒壊する恐れがあることが発覚)や、施設が放出した放射性物質により茨城県界隈までの海洋が汚染されているという報告等です。

六ヶ所村の再処理施設で重大な事故があった場合、日本全土および近隣国・北半球全体に重度の放射能汚染をもたらすといわれています。それなのに耐震設計ミス等のスキャンダルがあり、信頼性に欠けるということで大問題になっています。

現在日本には東海再処理工場が1977年から作り続けていたプルトニウムと合わせて40トン以上のプルトニウムがあるといわれています。これは長崎型原爆4000発分に相当する量といわれています。

私たちはこれらのプルトニウムが核兵器として利用されることのないよう監視する必要があります。

世界的にはインド政府が平和利用を公言し保有していたプルトニウムを核ミサイルにしてしまったという事例があります。

こういったことが日本で起こるのを防ぐためには、私たちがこういった問題に敏感になる必要があります。
国が核兵器を持つことは、私たちの子供達が戦争に巻き込まれる可能性を増やします。

2007年07月19日

柏崎刈羽原発・中越沖地震による原発事故

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柏崎刈羽原発は、2007年7月時点で地球上最大の原子力発電所です。
新潟県柏崎市・刈羽郡刈羽村にあります。
運転開始年月は1985年9月。
1号機の工事が着工されたのは1978年、2号機は1983年、3号機は1987年、4号機は1988年、5号機は1983年、6号機は1991年、7号機は1992年。

1号機から7号機までの総出力は820万キロワット超。
チェルノブイリの原発4号機の8倍以上の出力です。
東京電力の社員1039人、協力企業の社員3681人が働いていて、新潟県内の雇用の83%を占めているモンスター級のエネルギー施設です(2006年11月時点・東京電力発表)。
約220キロ離れた東京で使われるための電力を作っています。

7月16日、午前10時13分、新潟県を中心に震度6を超える大地震「新潟県中越沖地震」が起きました。
この地震で柏崎刈羽原発も甚大な被害を受け、大変危険とされる放射性物質漏れ事故を起こしました。

原発施設内のアスファルトの地面は原子炉のわずか数十メートルところまで大きく隆起し、
何本もの鉄塔が倒れ、
火災がおき、
中央制御室の天井が落ち、
放射能を帯びたガスを運ぶダクトのずれが五つの建屋で見つかったり、
放射性廃棄物入りのドラム缶が約400本が倒れてふたが外れて放射性廃棄物が流れ出し、
1200リットルもの放射能を帯びた排水が海に流れ出て、
9万ベクレルの放射性物質が大気中に放出され、
放射性物質コバルト60とクロミウムが排気筒から大気中へ放出され・・・
その他発表されているだけでも50箇所異常にも上るトラブルが確認されています。
(2007.8.1の東京電力の報告では、地震の被害による破損箇所は7月26日までの確認分だけで1263件)

今回の地震での原発事故で多量の人体に有害な放射性物質が放出されたと見られています。
周辺住民・施設内作業員の被爆、周辺地域の放射能汚染が懸念されています。


この事故は世界的に見ても大変恐ろしい事故です。
なぜなら、柏崎刈羽原発の出力はチェルノブイリの原発4号機の8倍以上。
柏崎刈羽原発で重大な事故が起きた場合、日本どころかロシア・中国・中東・ヨーロッパにまで放射性物質を撒き散らしてしまうかもしれない可能性があります。
放射能は2万年以上消えないといわれています。

日本国内で済む事態ではなく、重大な事故があれば海外他国にも影響が予測されるため、
海外のメディアの注目度は非常に高く、事故当日から各国のメディアは連日大きく取り上げました。

アメリカ、イギリス、イタリア、チェコ、フランス、ロシア、中国、ドイツ、韓国等で「地球上で最大の原発で放射能漏れ事故発生」として報道されています。
また各国のメディアは日本人の核に対する意識の低さや、日本の政府によるメディアに対する情報操作・報道規制に対しても強く批判しています。

CNNは、日本政府の情報隠蔽体質がなくならない限り、原発大国日本の原発事故はなくならないだろうと報道しています。日本メディアでは見ることのできない事故施設内の写真も公開しています。

BBCは、世界で唯一の被爆国である日本は世界に対して核廃絶を訴える立場であり、55もの原発を作って原子力推進をすべきではないという見方を示し、広島に落とされた原発数万発分の原子炉をまったく管理ができていないことは恐ろしいと指摘しています。
また政府が原子力についての報道を規制しているため、各施設周辺の住民が「何も知らず、なんとも思わずに、被爆しながら暮らしている」とも指摘しています。

各国のメディアは柏崎刈羽原発に対しての様々な問題を指摘しています。

<耐震強度の問題>
柏崎刈羽原発の1号機から7号機までのすべての原子炉が、2007年現在の「耐震設計審査指針」に適合していません。
1号機に関しては、昔の「耐震設計審査指針」にすら適合していません。
今回の地震では1号機タービン建屋1階を建設したときの耐震想定274ガルの6.8倍、1862ガルの揺れを観測しています。

1995年に阪神淡路大震災、2000年に鳥取県西部地震を受けてそれまでの「耐震設計審査指針」では現実の地震には対応できないということから、指針の改定論議がスタートしました。
新しい「耐震設計審査指針」が作られたのは2006年。柏崎刈羽原発はこの指針の基準をクリアする補強工事等が行われないまま運転されていました。

ちなみに新しい「耐震設計審査指針」制定議論の間、2004年には新潟県中越地震が起こり、2005年には宮城県沖地震が起こりました。
審査指針が改められたのは阪神大震災の11年後。
改められるまでに起こった地震でたくさんの人の命が奪われています。
こういった国としての対応の遅さも指摘されています。

<建設地域の地震の起こる危険性について>
建設当時は安全な地域であるとして建設地が決められましたが、調査技術が進歩した2007年現在の地質検査によると、柏崎刈羽原発が建っている場所は数々のプレートが組み合わさってる地震多発の危険地域だという調査結果が出ています。
絶対に建ててはいけない活断層の上に世界最大の原子力発電所があるという危険な状況になっていると多数の専門家が見解を示しています。


<危機管理体制の問題>
今回の地震で施設内における火災が発生しました。
原発内で火災が発生した場合には、通常は最長でも30分以内には鎮火して、速やかに放射能漏れなどの調査に取り掛かるのが国際的な常識とされていますが、今回の火災では2時間以上も燃え続けてたという報告があります。
施設内に消火設備があるにもかかわらず、火災時にその設備は稼動不能で、
実際に鎮火に当たったのが、外部から急遽呼び出された人員で、しかもたったの4人しかいなかったという報告もされています。

新潟県中越地震や阪神大震災が起きているのにもかかわらず、火災に対して最低限の対策も取られていなかった事が明るみに出ました。


<情報規制の問題>
各国メディアの指摘どおり、
2007年7月27日現在、日本のメディアにおける事故に関するニュースはオブラートに包まれ、一般の人には大変わかりにくく、情報量も非常に少ない状態になっています。
事故から10日が経過してもなお事故状況の詳細な公表はなされていません。
何人の人が被ばくしたといったような情報もありません。

事故当時の各国のメディアでは、
施設から大量の水蒸気のようなものが空へと噴射されている様子やアスファルトの地面が大きく隆起して波打っている様子など、事故の甚大な被害を物語る映像が流されていたのに対し、
日本のメディアの報道では、施設から黒煙が上がっている映像しか流されておらず、これは当初の東京電力の「放射能漏れはない」という発表が最初にありきで編集されたと見られています。

また、日本政府が、調査の申し入れをしてきた国際原子力機関(IAEA)の査察を断り、2007秋以降に受け入れを検討するという意思を表明するという不自然な態度も疑問視されています。
重大な何かを隠しているのではという声もあります。


「火災に対する対策が講じられてなく、何か起きたときでも情報が公開されない、
現在の耐震設計審査指針に適合してない何十年も前の原子炉が地震多発地域に建っている」
2007年7月現在、柏崎刈羽原発は国際社会から上記のように見られているようです。

原子力発電所利用者である私達が原子力についてよく学び、情報開示を求める姿勢を示すことで、管理者側の危機感や責任感をあおることができれば、ずさんな管理が原因の事故や今以上の原発乱立を防ぐことができるようになるかもしれません。


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