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エネルギー・バイオマスエタノールって?

バイオマスエタノールとは、ガソリン燃料の代替燃料として期待が寄せられている植物由来のエネルギー燃料です。温暖化対策のためのクリーンエネルギーとして注目されています。
バイオマスエタノールはエコエネルギーとして多くの優れた点を持ちますが、いくつかの懸念すべき点もあります。

<原料>
バイオマスエタノールは、サトウキビやトウモロコシ、大麦、小麦、ビート等の炭水化物を多く含む穀物・植物を原料として作られます。原料を発酵させ、蒸留して生産されます。

<バイオマスエタノールのいいところ>
バイオマスエタノールは植物を原料とするため、原材料枯渇の心配がないこと。
もうひとつは植物由来エネルギーであるため、大気中のCo2を増加させず(カーボンニュートラル)、温暖化対策として効果が望めるというものです。
また、ガソリンと混合(エタノール混合ガソリン)しやすく、ある程度の混合比までであれば既存のガソリン内燃機関(普通の車のエンジン等)を改造なしに利用し続けられます。

<日本でのバイオマスエタノール生産>
日本では北海道や沖縄でバイオマスエタノールを生産する計画がされていますが、国内は農地が少なく、穀物生産のコストも高いため、本格的に使用が始まった場合の国内需要をまかなうためには輸入が必須となると見られています。

<日本でのバイオマスエタノールの販売>
2007年4月27日より、首都圏のガソリンスタンドを中心に50の場所でエタノール混合ガソリンの試験販売が開始されました。2010年までに現在のガソリン消費の2割をエタノールでまかなうことを目標として環境省は掲げています。
しかしガソリンをもっと売りたい石油業界と環境省の間で混合方式や混合比率についての議論の対立が起きているため、エタノール混合ガソリンの本格的な普及体制が整うのはまだ時間がかかりそうです。
販売するエタノールは主にブラジル、EU産のものが使われています。

<バイオマスエタノール生産国>
アメリカとブラジルがそれぞれ年間160億リットルのバイオマスエタノールを生産するエタノール先進国です(2005年)。
ブラジルはすでにガソリン消費の40%をバイオマスエタノールに切り替え済みであり、車はバイオマスエタノールで走っています。日本車もブラジルではバイオマスエタノールで走っています。
農地1ヘクタールにおけるバイオマスエタノールの生産量、コストの安さどちらもブラジルが世界トップであり、現在ブラジルはバイオマスエネルギー大国となっています。
ちなみにブラジルでは1925年よりエネルギー燃料としてバイオマスエタノールを使用しています。

<懸念1・生産量の限界>
世界中すべての農地でサトウキビを育て、バイオマスエタノールを生産しても、今日世界で消費されている石油と同じだけのエネルギーは生み出すことができないと見られています。実際には私たちが食べる食物も栽培しなければならないため、農地すべてをバイオマスエネルギー生産に振り分けることはできません。
つまり、今全世界で消費され続けている石油と同じだけのエネルギーをバイオマスエタノールでまかなうことは理論上不可能です。

<懸念2・エネルギー消費量・温室効果ガス排出の増加>
石油は採掘の際にかかるエネルギーに比べて、採掘されるエネルギーが多いため、安価で高品質のエネルギーが手に入りました。
しかし、バイオマスエネルギーは原料の栽培にかかる水、農地、電気等のエネルギーが石油に比べてたくさん必要だといわれています。
アメリカ等が得意とするトウモロコシによるエタノール生産は、生産にかかるエネルギーが生産されるエネルギーと同じくらい、あるいは多くかかってしまうという見方があり、石油や電気の消費量を増やすことになっているのではという懐疑的な意見もあります。
アメリカでは清涼飲料水に使われるコーンシロップを作るためにトウモロコシが使われています。冬には清涼飲料水の売り上げが落ちるため、コーンシロップを作る施設の売り上げが落ちます。そういった施設が冬の間の収益を確保するためにトウモロコシエタノールを作っているという場合もあります。つまりエコエネルギー生産という観点ではなくエタノールという商材を生産している場合もあるために、バイオマスエネルギーを作ることでCo2排出量を増やしてしまうという事態が起こっています。

<懸念3・バイオマスエタノール原料栽培農地のための森林伐採>
ブラジルが得意としているサトウキビによるエタノール生産は、ブラジルが広大な農地を保有しているため効率的ですが、さらに効率をあげる(農地を広げる)ために無法な森林の伐採や焼畑農業が行われており、環境負荷の増大が懸念されています。

<懸念4・飢餓を招く危険>
石油からバイオマスエタノールの時代になるとすれば、石油時代とは違ったかたちのエネルギー戦争が懸念されています。
深刻な穀物の奪い合いが起きるのが懸念されています。石油は食べれません。しかしバイオマスエタノールの原料は食べ物です。
つまりエネルギー燃料がほしい人同士の争いだけではなく、エネルギー燃料がほしい人と食べ物がほしい人の間にも争いが起きる可能性があります。
2007年現在、穀物価格が急騰し始めています。
バイオマスエネルギーの原料となるサトウキビやトウモロコシの価格が上がり、それらの穀物を食べる家畜の価格も上がっています。
卵、マヨネーズ、砂糖等の食品の価格が上がっています。
また、バイオマスエタノールの原料を生産するために、畑で人が食べるための野菜を作ることをやめてしまう業者も増えており、野菜の価格が上がっている地域も出てきています。
車の空腹を満たすために作物が使われてしまうため、先進国の8億人のドライバーのために穀物価格が急騰することになり20億人の貧しい国の人たちが食べる穀物が奪われてしまうかもしれないという見方が出てきています。

<懸念5・人々の楽観的な見方>
石油がなくなっても、温暖化が進んでもバイオマスエタノールがあるから大丈夫と考えている人がたくさんいます。
しかし上記の各事項からわかるように、いまの消費のライフスタイルを保ったままではバイオマスエタノール等のエコエネルギーをどう駆使しても、環境問題の解決はできないでしょう。
バイオマスエタノール等のエコエネルギーへシフトしていくのと平行して、私たちのライフスタイルを見直し、エネルギーの使用量を減らさない限り、地球温暖化の進行は緩和できません。
まずは現実を直視し、楽観的な考え方をやめ、その上でバイオマスエタノール等のエコエネルギーを上手に使うということが、私たちの環境を守ることにつながります。


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2007年08月12日 18:21に投稿されたエントリーのページです。

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